本田圭佑インタビュー!トーク・アジア 後編 [本田圭佑]
前回に引き続き、
「トーク・アジア」での本田圭佑選手のインタビューをお届けしていきます。
インタビュアーはCNNモスクワ特派員のマシュー・チャンスさん。
マシュー:2009年からの4年契約ですが、
ロシアに来ると思っていましたか?
他のクラブも検討していましたか?
本田選手:それはホントに時と場合ですよね。
いま現時点で僕はチェスカ(CSKAモスクワ)のためにベストを尽くさなければいけないし、
ここの選手であることは間違いないので、
ただ誰もが、
どのプレイヤーでも大きなクラブでプレーしたいって思うのは、
ごく普通のことだと思います。
僕もその1人だし、
もしチャンスがあればそれを実現したいですね。
マシュー:どこで1番プレイしたいですか?
チームや監督や国を自由に選べるなら、
どこに行きますか?
本田選手:小さな頃からね、
レアル・マドリードが好きで。
それが自分にとって、
もし実現するなら、
この上ない達成感と、
やっぱり夢が実現することになるだろうなというふうには思います。
まあでも今後ね、
それを実現するためには、
まだまだやらないといけないことがたくさんあって。
やっぱり今日が大事で、
その次には明日が大事で。
ホント1日1日を充実して将来ね、
レアル・マドリードっていうようなクラブにね、
誰もが行きたいようなクラブで、
自分がプレイしたいなというふうに思ってます。
マシュー:自分に足りないと思うものは何ですか?
たとえばレアル・マドリード が欲しいプレイヤーは、
ゴールを入れたり得点のチャンスを作れる選手です。
そのために何が必要だと思いますか?
本田選手:オレはね、
日本人ですし、
日本人っぽくないって日本人には言われるんですけど、
そういう意味ではやっぱり、
戦術であったり、
チームでの決まりっていうところに、
アジャストして(合わせて)いくのには何の問題もないと思ってるんですよ。
でも一方で日本人に足らない、
もちろん僕に足りないのは個人技。
やっぱり1人で何か物事を打開する能力っていうのが、
今後求められると。
ただそれが手にさえできれば、
レアル・マドリードでプレイする実力が得られたと、
いうのと同じだと思ってますし、
それができるだけの自信は、
いま僕にはあります。
マシュー:あなたは昨年からの契約でモスクワに滞在していますが、
まだ外国人が歓迎される街ではありません。
特にサッカーでは人種差別もありますが、
あなた自身がそれを感じたことがありますか?
本田選手:まあでもあまりね、
オランダでプレーしてたってのもあったし、
そういう経験が以前にもあったんでね、
すんなりアジャストしていけたし、
そういう差別とかも感じることなくね、
選手と仲良くすることもできてる、
というふうに僕は感じるんで、
プレイしてても生活しててもストレスになるようなことは、
一切ないですね。
マシュー:それはロシアがもっと前向きに取り組むべき問題だと?
本田選手:まあ僕は何も問題はあまり感じてないですね。
サッカーっていうのは色んなことがあってこそサッカーだと思うんで、
ロシアにはロシアのやり方があって、
ロシアにはロシアの問題がありますけど、
それをあまり問題と感じてプレーしてないですし、
私生活もしてないですね。
マシュー:ここのチーム(CSKAモスクワ)ではディフェンスですが、
納得していますか?
本田選手:もちろん本来自分がね、
プレーしたいところはもっと前のポジションであって、
そのほうが自分の特徴は生きるし、
相手にとって脅威になれる、というふうには思ってます。
でも色んなね、チームには事情があって、
自分が違うポジションでやらないといけない場面というのは、
今までも何回かあって、
まあそのたびにね、もちろん難しさは感じてますけど、
チームのためにやれることは何なのかを考えながら、
プレーはしてます。
まあ現状そこの前をやりたいけど前をやれないっていうね、
そういうストレスっていうのは当然ありますけど、
まあそれもサッカーかなというふうに思いますね。
マシュー:その点について監督と話せる良い関係ですか?
本田選手:監督にはね、
よく自分のポジションのことで話をしましたし、
監督とはよく話をして、
いい関係をね、築けてるかなっていうふうに思いますね。
まあただその中で、
自分の思いは前をやらしてくれと、
いうことですけど監督は、
「今は我慢してくれ」というような形で、
僕をボランチの位置に置いてますね。
(ここでCM)
マシュー:子供たちとの交流の話が出ましたが、
あなたは子供の権利や福祉に深い関心を持っていますね。
具体的にどんな活動をしているのですか?
本田選手: あの、サッカースクールで子供たちとの交流を深めたりだとか、
それでね、自分が子供たちと触れ合うことで、
子供に夢を与えて、
サッカー選手に将来なりたいって思わせたいですね。
それが僕の1つの役割でもありますし、
今後やってみたいことでもありますね。
マシュー:あなたはイメージやスタイルにも気を配っていますね。
両腕に時計をするとか、
今日もスタイリストと一緒です。
なぜスタイルが重要なのでしょう。
本田選手:ま自分にとって大事っていうかどうかが重要なんではなくて、
まあ自分がそうしたいからしてるだけでありますし、
まあサッカーをやってて、
自分が小さい頃夢見た選手ってのはカッコ良かった。
だからもし子供たちがいま自分を見た時に、
自分もカッコイイ存在でありたいと。
自分も、将来ホンダを見てホンダのようになりたい、
って思ってもらえる、
そういうような身だしなみをしないといけないし、
普段もちろんピッチの上でも、
そういうパフォーマンスを子供たちに見せていかないといけないと、
いうふうに考えてます。
マシュー:つまりサッカーだけではなく、
国際的なファッションリーダーになることも必要だと?
それが成功への鍵だと思いますか?
本田選手:それは非常に難しい質問ですけど、
まあ第一に、
何度も言うようにサッカー選手として世界トップのプレイヤーになりたいと。
ただその一方で、
そういうサッカーが上手い選手はカッコイイんだぞっていうことを、
子供たち見せたい。
そういう2つの思いがあって、
自分を表現はしてますけどね。
マシュー:ファッションリーダーとして名高い、
ベッカム選手の影響は?
彼を見習おうとしていますか?
本田選手:いや僕はあの(笑)
彼ではないし、
逆に彼のようになれるとも思ってないですし、
僕は僕らしさを追い求めて、
もっと大きな自分を作り上げていきたい。
そしてそれを世界に表現していきたいっていうふうに、
思ってますけどね。
彼の真似をするんではなくて、
自分らしさを追い求めて、
もっともっと大きな自分を、
将来表現したいと思ってます。
マシュー:日本で大きな影響力を持つのは中田選手だと思いますが、
憧れたり刺激を受けることは今でもありますか?
本田選手:まああの、日本でね、
1番サッカーで成功した選手だと僕はね、思ってます し、
サッカーのみならず違った分野でもね、
色んな存在感で日本の子供たちにね、
僕もそうなんですけど、
影響を与えた人なんじゃないかなというふうに思ってます。
マシュー:若くてハンサムなサッカー選手が既婚というのは珍しいです。
普通はナイトクラブやパーティーに忙しいでしょう。
本田選手:いやそんなことはないけど、
遊ぶことも好きやけどやっぱり、
自分が本当に将来、
大きなクラブでプレーしたいと思うと、
いろんなものを犠牲にしないといけないっていうふうに考えて、
それがもちろんそういう1つ1つね、
遊ぶことであったり。
自分が将来大きなクラブでプレーするために必要なことは、
全てやる。
そのために犠牲にしないといけないものは全て犠牲にする。
ホントにそれだけなんですよね。
僕のだからサッカースタイルっていうのはすごいシンプルで、
僕の人生というのはすごいシンプルです。
サッカーのためには全て犠牲にできますね。
マシュー:家族について話していただけますか?
本田選手:家族…
まあ僕はサッカーを始めたまず理由はね、
親父の影響で、
親父がね、また厳しい人で、
常に1番じゃないとね、怒ってましたね。
怒ってたというか1番であることが当たり前の環境でした。
そんな環境で僕は育ちました、日本で。
マシュー:父親の厳しい教育のおかげで今のあなたがあると?
本田選手:まあ自分にとってね、
親父っていうのは偉大な存在で、
まあ親父のおかげでこうなれたと思ってますし、
まあもちろん親父だけじゃなくて多くの人にね、
支えられてこうなったと思うんで。
まあそれはこうなった今も変わらないし、関係っていうのは。
常にね、やっぱり感謝の気持ちっていうのは忘れてはいけないと思うし、
自分は、今後もそういう人たちに恩返しするつもりで、
プレーしたいなというふうに思ってますけどね。
マシュー:真面目な生活ができるのは奥様のおかげですか?
彼女がいるからまっすぐキャリアを追っていける?
本田選手:いやもうやっぱり毎日料理を作ってくれてるし、
その料理で自分の体のケアができてるんでね。
嫁がいなかったら、
毎試合ベストな状態で試合には望めないし、
やっぱり家族の支えがあるから、
常に自分がベストなパフォーマンスを見せられてると、
いうふうに思いますね。
(ここから場面がリッツ・カールトンからグラウンドに移ります)
マシュー:あなたは私生活に関して多くを語りませんが、
たとえばオフの日は何をしていますか?
本田選手:僕の趣味ですか?
映画を観ることが好きです。
音楽を聴くのも。
マシュー:どんな映画?
本田選手:”ゴッド・ファーザー”とか”スカーフェイス”。
マシュー:マフィア映画?
本田選手:ええ、好きです。
マシュー:マフィア映画のどこが好きですか。
ギャングになりきれるとか?
本田選手:何ていうか…
彼らの言動が格好よいから。
アル・パチーノとデ・ニーロが大好きです。
マシュー:モスクワでオフの日は何をしますか?
ここでの生活はどうですか?
本田選手:すばらしいですよ、
天候は嫌いだけど。
家族がいてくれますから。
チームメイトも助けてくれるし。
モスクワでの生活は快適で居心地が良いです。
天候さえ良ければもっともっと快適ですが。
マシュー:モスクワはいつも天候が悪いから。
本田選手:たしかに。
以上で本田圭佑選手のインタビューは終了です。
日本のインタビューでは、
あまり聞かれないような質問もたくさんありました。
本田選手の言葉にはいつも、
納得してしまうような力強さがありますよね。
それではまた!